台風16号が日本列島に迫っています。
和歌山や奈良を始めとする
台風12号で痛めつけられた地方に
情け容赦なく、雨を降らせ
新たな災いをもたらすのかと
人間の無力さを嘆きたくなります。
台風の前の静けさとでもいうのでしょうか
風は無く、雨も降りそうで降らない
鳥や虫も息を潜めているかのように
不気味な静けさの庭に出てみましたが
冷たい空気とともに夏も終わりかな?
という雰囲気が漂っていました。
蝉の抜け殻が、
昨日の風に飛ばされることなく
存在を主張していました。
気が付けば、蝉の声に代わって
コオロギやマツムシが鳴くように
なっていました。
また、露草も最後の花を
咲かせておりました。
露草って和歌や俳句の世界では
秋を現す花なんですねー
僕は夏草のイメージが強かったので
意外でした。
↓ 三連の抜け殻
↓ 露草は和歌では秋の花として詠まれ、
俳諧でも秋の季語とされているとのことです。
↓ 露草は、古くは「つきくさ(月草・鴨頭草)」と呼ばれていた
ようです。
語源は、色が付着しやすいので「付き草」とか、夜の暗いうちから
月光を浴びて咲くので「月草」と呼ばれた等の説があるようです。
↓ 万葉集:作者不詳
「月草に衣は摺らむ朝露に濡れてののちはうつろひぬとも」
意味は、「露草で着物を摺り染めにしよう。朝露に濡れた後では
色あせてしまうとしても」
露草の青は美しく、好んで染め付けに用いられたが、
色があせやすいので、
恋歌では人の心のうつろいやすさの象徴とされているようです
↓ 雪玉集 : 三条西実隆
「誰にまたうつし心のひとさかり見えてかなしき月草の色」
意味は、「あの人は誰にまた心を移すことか。一時だけの盛りが
見えて切ない月草の色よ」。
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